みなさまいつもお世話になっております
小学校受験コーチのかけるです。
国立小学校を受験される方の中には、抽選を乗り越え、11月後半の2次試験に向けて最後の力を振り絞り、対策に努めている親子も多いと思います。
MAGONOTEでも、筑附小やお茶小の制作課題の再生回数が増えているため、間接的にですが、みなさまの努力が伝わってまいります。
もしかしたら、私立小学校の試験が悔しい結果に終わり、親子共に自信を失っている方も多いと思います。
しかし、だからといって気を落とす必要はありません、
なぜなら、国立小学校は、私立小学校と違って試験や受験者の雰囲気の毛色が違いますし、求められる子ども像も異なるからです。
それに、みなさまのお子様には私立小学校受験対策で培ってきた確かな力があるため、それを大いに生かすことで、ご縁をいただける可能性は十分あります。
実際、私立の本命校にご縁をいただけなかったお子様が、最後の最後に国立でご縁をいただけたというケースも数多く存在します。
そこで今回は、国立小学校受験するうえで知っておいていただきたいことや私立小対策の中で培った力を活かすポイントなどについて、私なりの視点で解説していきたいと思います。
目次
【国立最大の特徴】
抽選による「サラダボウル化」
まず、国立小学校最大の特徴と言われるのが「抽選」です。
国立小学校では、「A：考査の前に抽選を行う学校」「B：考査の前後に2回抽選を行う学校」「C：考査の後に抽選を行う学校」の3つに分かれます。
それぞれの学校がどのタイプかは、ご自身が一番よくわかっていらっしゃると思います。
ここで特に注意していただきたいのが、A・Bグループの学校です。
抽選は完璧に「運」です。
そのため、試験前に抽選があることで、難関校私立小学校を総なめしているようなお子様も容赦無く落ちる可能性があるということです。
逆に、小学校受験について右も左も知らないご家庭が抽選を勝ち取って、試験に参加してくる可能性もあります。
アメリカの多民族・多文化社会を表現する言葉で「サラダボウル（※）」という表現がありますが、まさにその状態だということです。
※差別用語ではありません。
もちろん、Cタイプの学校も国立であることは変わらないため、さまざまなご家庭がいらっしゃいますが、A・Bグループはそれ以上にどんな子が同じグループにいるかわからないということを改めて認識しておきましょう。
私立小の経験を国立小に活かすコツ
私立小学校対策に何年もの時間を費やしてきたみなさまからすると、「考えられない」という親子が国立小学校ではよく見られます。
ヘアスタイルや服装など外見的な要素だけでなく、待ち時間の振る舞い、親子の接し方・言葉遣いなど、さまざまな点でご自身とのギャップを感じるかもしれません。
実際、国立小学校の受験されるご家庭は記念受験的な方も非常に多いですし、試験の1ヶ月前から少しだけ練習するというご家庭も存在します。
正直、血の滲む思いでやってきた皆様からすると、そのようなご家庭には負けたくないというのが本心だと思います。
先ほどお伝えしたように、抽選という制度は「運」がすべてなので、親子の実力は関係ありません。
ですが、試験では準備してきていないご家庭より、私立小学校受験を経験されたみなさまの方が圧倒的に有利です。
ただ、一点注意していただきたいのが、国立小学校で求められる子ども像と私立小学校で求められる子ども像は異なるということです。
もちろん、国立小学校の中でも多少求められる子どもは異なりますが、それ以上に私立小学校とはまた違います。
そのうえで、私立小学校での受験対策を国立小学校に活かすポイントを解説していきます。
1.ご挨拶＋姿勢や態度
1つ目に生かすべきは、日々積み重ねてきたご挨拶や姿勢・態度です。
私立小対策を一生懸命取り組んできたお子様は、大きな声で元気よく挨拶ができるはずです。
また、お話を聞くときや問題を解くときの姿勢・態度も、お教室の先生から何度も指導されてきたはずです。
だからこそ、国立小学校では、他のお子様と比べても、まずその点で良い印象を与えることができます。
大前提として、国立小学校は「教育研究校」「教員実習校」としての役割を担っているため、さまざまな先生方に対して「誠実に向き合える子」「お話をきちんと聞ける子」を求めています。
そのため、試験時のご挨拶や姿勢・態度はきちんとチェックしています。
また、先ほどお伝えしたように、国立小学校では落ち着きがない子も本当にたくさんいます。
その中で、きちんと”聞く姿勢”ができていたら、先生方の目にも留まりやすくなります。
2.指示理解と動き出しの速さ
2つ目に生かすべきは、指示理解と動き出しの速さです。
運動や行動観察では、先生のお話をよく聞いて、できるだけ動き出しを速くするということを意識して対策してきたと思います。
これは、国立小学校では非常に有利になります。
先ほどもお伝えしたように、国立を受ける子の中にはそもそも試験経験ゼロの子もいれば、あまり対策してこなかった子が多くみられます。
そのような子たちは、先生の指示を正確に理解し、動き出しを早くすることができません。
ですが、みなさまのお子様は厳しい練習を重ねてきたわけですから、この点は問題ないと思います。
繰り返しになりますが、国立小学校では「教育研究校」「教員実習校」の役割があり、日々の授業は先生の裁量によって変わってきます。
そのため、先生の指示や説明を聞き取って、素直に・早く動ける子が求められています。
ですので、行動観察や運動テストでは特にこの点を意識して試験に臨むようにお子様に伝えてあげてくださいね！
3.粘り強さや集中力
3つ目に生かすべきは、粘り強さと集中力です。
私立小学校だけでなく、国立小学校にご縁をいただいた過去のご家庭を見ていると、粘り強さや集中力があるという共通点が見られるケースが多いです。
例えば、勉強も運動も少し厳しいと言われている校風の私立小学校にご縁をいただいたご家庭が、同じように言われることの多い筑波大学附属小学校にもご縁をいただいているといった感じです。
ちなみに、筑附小のペーパー課題は長文のお話の記憶や複雑な図形問題、工数の多い制作課題などが毎年出題されており、粘り強く取り組む力や高い集中力が求められていることは試験内容からも読み取ることができます。
また、粘り強さや集中力は筑附小に限った話ではなく、どの国立小学校でも求められます。
しかし、記念受験のご家庭や対策が不十分なご家庭のお子様は、そもそも試験の始まりから終わりまで集中すること自体が難しいです。
そのため、こういった点でも強みを出していくようにしましょう。
4.コミュニケーション能力や協調性
4つ目に生かすべきはコミュニケーション能力や協調性です。
特に国立小学校の行動観察は私立小学校を乗り切ったお子様にとって有利に働きやすい場です。
私立小学校の試験では、「リーダーシップを取れなかった」「発言があまりできなかった」というお子様こそ、国立小学校は自信を持って臨むように声をかけてあげてください。
もちろん、国立小学校だからといってリーダーシップを必ず取る必要はありません。
試験慣れしていないお子さんに優しく話しかける、ひとりで遊んでいる子に声をかける、困っている子がいたら「どうしたの」と手を差し伸べる、こうした基本的なことを自然に行うだけで大丈夫です。
また、国立小学校の行動観察では、みんなの輪をかき乱す“クラッシャー”も多くみられます。
そういったときは、一緒にふざけないこと、他に真面目に取り組んでいる子と協力することを意識するのも忘れないでくださいね。
5.言語力や表現力
最後は、言語力と表現力です。
国立小学校では、簡単な言語課題や口頭試問を出す学校もあります。
しかし、これは私立小学校の親子面接や言語課題を乗り切ったお子様にとっては難しくなく、むしろ物足りないといったレベルだと思います。
そのため、質問に対してただ答えるだけでなく、今までの面接や言語試験経験を活かして、表現力をアピールすることが大切です。
具体的なポイントについては、以下の記事で解説しているので、こちらをチェックしてみてくださいね！
さいごに
今回は、国立小学校受験するうえで知っておいていただきたいことや私立小対策の中で培った力を活かすポイントなどについて、私なりの視点で解説してきました。
ここまでお伝えしたきように、国立小学校において、厳しい私立小学校対策を乗り越えてきたお子様には大きなアドバンテージがあります。
しかし、どの側面においてアドバンテージがあり、どのような場面で活かすかがわからないと、今までの努力や私立小の試験期間を経て培った力を120％発揮することはできません。
そのため、これから国立小学校の考査を迎える方は、今回解説した内容を踏まえてお子様とも改めて話し合い、自信を持たせた状態で臨みましょう！
試験を終えられたら、メールまたはMAGONOTE会員専用公式LINEからぜひご報告くださいね！
コメント