小学校受験に受かる子の親が実践していた「休日の過ごし方」

いつもお世話になっております。

小学校受験コーチのかけるです。

今回は、「小学校受験に受かる子の親がしている休日の過ごし方」というテーマで解説していきたいと思います。

小学校受験というと、「週末は塾や模試でびっしり」「遊びは後回し」といったイメージを抱きがちかもしれません。

しかし、実際に難関校に合格したご家庭を見ていくと、必ずしも受験対策にすべての時間を費やしているわけではありません。

むしろ、休日だからこそ、“受験”から少し離れて、心を柔らかく動かす時間”を意識的に過ごしている家庭が多く見られます。

知識やテクニックだけでは測れないのが小学校受験です。

行動観察や絵画制作、面接といった場面では、子ども自身の内側にある「感じる力」「考える力」「伝える力」が見られています。

そうした力は、日々の勉強だけでは身につきません。

親子での対話や、何気ない体験から生まれる気づきの積み重ねこそが、受験で求められる力の土台をつくるのです。

以上を踏まえて今回は、小学校受験にご縁をいただいたご家庭に共通していた、休日の過ごし方の具体的なポイントをご紹介します。

1.”余白”を大事にしている

難関校に合格したご家庭の多くは、休日のすべてを受験対策に費やしているわけではなく、むしろ、あえて受験対策から少し離れた時間や体験を意識的に取り入れているのが特徴です。

それは、子どもが“与えられた課題”ではなく、“自ら感じ、考え、動く力”を育むために必要なことだとご家庭が理解しているからです。

たとえば、近所の山で落ち葉を拾って標本を作ったり、海辺で拾った貝殻を図鑑と見比べて分類してみたり。

商店街の豆腐屋さんで豆乳づくりの工程を見学し、「なぜ水に浸すの?」と親子で話し合ったり。

街角の昔ながらの銭湯で、「どうして煙突があるの?」と建物に興味をもったり。

日常の中にある、子どもが“ふと立ち止まる瞬間”を大切にしているのです。

こうした体験の中では、思わぬ発見や疑問が次々に生まれます。

そこで大人が答えを教えすぎず、「どう思う?」「一緒に調べてみようか」と寄り添うことで、子どもは探究する喜びを知り、思考力・観察力・表現力を自然と伸ばしていきます。

家庭での受験対策も大切ですが、休日にしかできないこうした体験が、子どもの世界を広げ、結果的に“その子らしさ”として入試の場でも表れてくるのです。

受験という目標に向かいながらも、目の前の「今」を丁寧に味わう姿勢が、長い目で見て大きな力につながっていきます。

2.お出かけは
「どこに行くか」より「何を話すか」

小学校受験を経験されたご家庭の中には、「休日はどこに連れて行けばよいのか」と悩まれる方も少なくありません。

もちろん、動物園や水族館、科学館などのいわゆる“知的好奇心を刺激する場所”は、子どもにとって新鮮な刺激を与える場として有効です。

しかし、本当に大切なのは「どこに行ったか」ではなく、「そこで子どもが何を感じたか」「親子でどんな対話が生まれたか」という“プロセス”です。

実際にご縁をいただいたご家庭では、目的地の派手さや珍しさよりも、子どもの気づきと対話を育むことに力を注いでいます。

たとえば、あるご家庭が水族館に出かけた際、クラゲの水槽の前に立ち止まったお子さんが、ふわふわと漂う様子をじっと見つめながら、「クラゲには心臓はあるのかな?」とつぶやいたそうです。

そこで親子でちょうど近くにいたスタッフの方に声をかけてみると、「実はクラゲには心臓も脳もないんですよ」と教えてくれて、これにはお子さんも驚き、「じゃあ、どうやって動いてるの?」「生きてるのに、考えてないの?」と、次々に疑問があふれ出し、図鑑そ読むきっかけができたとのことでした。

このようなやりとりは、ただ“クラゲには脳がない”という情報を覚える以上の価値があります。

・疑問を持つ力(なぜだろう?)
・他者に質問する行動力(聞いてみよう)
・自分なりに考え、言葉にする力
・説明を聞いて理解を整理する力

こうした力はすべて、行動観察や面接で問われる“主体的な思考力”や“自分の言葉で伝える力”の礎になります。

また、スタッフとのやり取りは、自分以外の大人と自然な形でコミュニケーションを取る経験にもつながり、自信や社会性も育ちます。

受験の面接においても、こうした日常の積み重ねは子どもの表情や語り口にしっかりと表れてきます。

お出かけは、派手な体験である必要はありません。

大切なのは、その場所で子どもの心がどう動き、親がどんな関わりをしたか。

こうした時間の積み重ねが、「この子には、自分の目で世界を見て、自分の言葉で表現する力がある」と学校側に伝わる、本物の“合格力”へとつながっていくのです。

3家事を“やらせる”のではなく
“一緒に楽しむ”

受験にご縁をいただくお子さんは、たいてい「お手伝いが好き」です。

そしてその背景には、家庭の中で自然に家事に関わってきた経験があります。

こうした家庭では、親が「お手伝いをさせよう」と思って指示を出すのではなく、日常の中で一緒に家事をすることが自然と根づいています。

料理を一緒に作る、洗濯物をたたむ、掃除のやり方を工夫しながら進める。

こうした一つひとつの作業の中に、「人のために動く」「工夫してやり遂げる」「失敗から学ぶ」といった学びが詰まっているのです。

また、「ありがとう」「助かったよ」といった親からの感謝の言葉も、子どもにとって大きな自己肯定感の源になります。

これは面接でもよく聞かれる「お手伝いはしていますか?」という質問に、自分の体験をもとに具体的に話せる子に育つ大きな要素となります。

4.子どもの「やってみたい」を大切にする

小学校受験において、絵画制作は単なる“絵の上手さ”ではなく、どれだけ自分の体験を自分の視点で捉え、それを表現しようとする力があるかが見られています。

その土台となるのが、子どもが日常の中でふと感じた「やってみたい」「描いてみたい」という気持ちを、家庭がどう受け止めているかです。

ご縁をいただく家庭では、子どもの「これ描いてみたいな」「こういうの作ってみたい」という小さな声を、“今は時間がないから”“また今度ね”と流してしまうのではなく、まずしっかり受け止め、すぐに形にする時間を確保する姿勢があります。

たとえば、散歩中に見つけた大きなクモの巣に目を留め、「あれ、絵に描いてみたい」と言えば、「いいね、帰ったら描いてみよう」と声をかけ、実際にクレヨンや絵の具を用意して、すぐに取りかかれるようにする。

図鑑で見た魚を真似して粘土で作ってみたいと言えば、材料を一緒にそろえて「どうやって形にする?」と声をかけながら取り組む。

こうした姿勢は、子どもの「表したい」という気持ちを肯定し、表現を通じて思考を深めていく力を育てます。

また、自分の中の感動や記憶を「どこから描こう」「何を描こう」と構成し、手を動かして形にしていくプロセスそのものが、絵画課題の本質的な準備となるのです。

実際に合格した子どもたちは、絵画の場面でも「どの場面を描きたいか」を自分で選び、背景や人物の配置、色の工夫を自ら考えて描き上げていきます。

そこには、日頃から自分の気持ちや経験を誰かに伝えたいという思いを、自由に形にする機会に恵まれてきた積み重ねが見て取れます。

絵が得意かどうかよりも、「描きたいと思える心の動きがあるか」「それを受け止め、実現する環境が家庭にあるか」が、最終的に受験本番の表現力の差につながっていくのです。

だからこそ、日々の「これ描きたい」という声に対して、どれだけ肯定的に応え、実現を後押しできるかが、合格家庭の何よりの強みと言えるでしょう。

さいごに

小学校受験において本当に問われるのは、「この子は、入学後にどんなふうに学び、仲間とどのように関わっていくのか」という未来への可能性です。

そして、それは「何を習ったか」「どの教材を使ったか」といった“表面的な学習成果”だけでは見えてきません。

むしろ、子どもの目の輝きや、好奇心、柔軟な発想力、そして人との関係性の中で自分をどう表現するか――

そうした姿勢や態度が、日常の中から育まれているかどうかが問われるのです。

だからこそ、「受験のための休日」ではなく、「人として育つための休日」を過ごすことこそが大切です。

これから夏期講習や面接対策など、やらなければならないことが多岐にわたってありますが「余白を持たせる」ということも忘れにようにしてくださいね。

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